JApan Network Operators' Group
JANOG41は株式会社インターネットイニシアティブのホストにより開催します。

大規模tracerouteデータを使った異常発生箇所の特定

概要

皆さんが利用しているインターネットは、全世界で見れば常にどこかが「壊れて」いると言っても過言ではありません。インターネットに壊れている箇所があると、そこを経由する通信ができなくなります。壊れている箇所を見つけてそれを解消することは、インターネットを運用するネットワークエンジニアにとっての重要な仕事です。しかし、今現在、インターネットがどこで壊れているかを網羅的に調べることはとても難しく、実際の通信に影響が出て初めて壊れている可能性に気づくことがしばしばでした。

IIJ技術研究所では、RIPE NCCと共同で、全世界のインターネットを対象として、どこが壊れているのかを調べるための手法を研究しています。調査のためにRIPE NCCが運営しているRIPE Atlasを利用します。RIPE Atlasは全世界にネットワーク調査用の端末を配布しており、これを使って任意の地点間の通信の状況を調べることができます。しかし、RIPE Atlasで調べられるのはあくまで地点間の通信状況であり、どこのネットワークが「壊れ」ているかはそのままではわかりません。

そこで、本研究ではビッグデータ技術を使い、RIPE Atlasで収集された情報からネットワークの壊れている箇所を特定することを目指しています。発表では、調査手法の紹介と共に、過去に観測されたネットワークの「壊れ」の実例を紹介します。

発表者

Romain Fontugne (IIJ Research Lab)

資料

大規模tracerouteデータを使った異常発生箇所の特定:発表資料 (Roman、PDF)