概要
JANOG38において、”ECSってどうよ?”というタイトルで講演を行った。その後、ECSそのものの実装はプライバシー保護を重視する立場からの批判もあって、順調に進んでいるとは必ずしも言えない。
一方で、現状においては、CDNによる配信効率化のためにDNSをシグナリングとして用いる技術は広く利用されており、さらにコンテンツの大容量化・大規模化にともない、より適切なキャッシュ・サーバからの配信への要求は高まっている。 さらに、Public DNSの隆盛によって、ISPにとっては想定しないような輻輳を招くような事態も発生しており、JANOG45においてもそのような観点からECSの実装を望む現場の声が少なくとも2件あった。
本発表では、ECSの簡単な紹介とともに、現時点でのソフトウェアやPublic DNSでの実装状況やそれぞれのプレイヤーでのECSに対するポリシーとそれによってもたらされる今後について共有・議論を行う。
参考: JANOG38 EDNS-client-subnetってどうよ? 改めRFC7871ってどうよ
発表者
石田 慶樹(日本ネットワークイネイブラー株式会社)
山口 崇徳(インターネットイニシアティブ)
末松 慶文(株式会社QTnet)