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■ 実行委員長、JANOG20を熱く語る(?) ■

運営委員で、今回JANOG20では実行委員長の片割れでございます、前村です。


運営委員といっても、前回JANOG19で久しぶりにプログラムを1つ持って途中でPCに参加するまで、5年間くらい実行委員やっていなかったですから、本当に久しぶりに最初っから実行委員会をやっています。


さてさて、何かこうかなぁと考えていました。スタッフコラムJANOG19からの企画ですが、実行委員の皆さん、すっごく良いこと書くなぁ、と感心してばかりでして。


プログラムに関して2つ書こうと思います。


一つは水曜日の特別企画です。始まった最初の最初は金曜1日,次には木曜日午後からの1.5日、最近は木金フルに使って2日、という日程のJANOGでしたが、今回はその前に一日、特別企画があって、JANOGミーティング初、基調講演をやります。


一人目は、JANOG初代会長の石黒邦宏さん。思い起こすと石黒さんと初めて会ったのは、1995年のNSPIXPミーティングのとき。当時は某ISPのネットワークオペレータでした。それがZebra http://www.zebra.org/の開発を始め、ベンチャー企業を立ち上げ、次にZebraで築いた技術を持って米国に乗り込んでIP Infusionを立ち上げたわけです。Zebraはフリーウェアですから、なんでそんな金にならなさそうなこと始めたんだ?と最初は心配していたのですが、今やIP Infusion製のルーティングソフトウェアは日米のトップベンダを含めかなりの数採用されています。実は同い年なんですが、あやかりたいものです。


その石黒さんが故郷帯広でしゃべってくれるのは、「インターネット基盤技術はこれからのインターネットを支えきれるのか」JANOG20本会議でも、ルーティングアーキテクチャのパネルがありますが、石黒さんもルーティングの心臓となるルータを作る立場から、つぶさに技術の最前線を眺めてきたわけです。その石黒さんが、「もうこれ以上は無理かも」とちょっと弱気になりながらも、これからのインターネットを支えていくために向かなければならない方向を指し示してくれます。


もう一人は村井純さん。説明の必要もありませんよね。(ないですよね、石黒さんにたくさん書いて村井さんの紹介ちょこっとですけど、別にそれは村井さんをナイガシロにしているのではなくてですねぇ。。(以下略))「日本のインターネットの父」と呼ばれるこの方が、遂にJANOGに登場。3ヶ月前くらいにお願いしたのですが、「喜んでお引き受けします」とこの上ないお言葉をいただきました。


石黒さんがインターネットのネットワーク基盤を支える技術を語った後で、村井さんの講演テーマは「インターネットが実現したこと、これから実現すること」。ずっとネットワークに関わってきていると、ネットワークというものが自己目的化してしまいます。ですが、本当はネットワークというのものは、その上のアプリケーションを通じてフル活用して人の役に立つためにあるわけです。村井さんの講演はインターネットが今まで人類に何をもたらして、これから何をもたらすのか、もたらすべきなのかを指し示すことになると思います。


たまに達成するべき要求が大きすぎて八方塞がりのような気持ちになるときがありますが、村井さんの講演は、やもすれば近視眼的になりがちなネットワーク屋の仕事を、夢と使命感に満ちたものに感じさせてくれるのではないでしょうか。


お二人の基調講演のあとは、僕がモデレータとなり、お二人に加え現JANOG会長・近藤邦昭さんにも加わってもらってパネルディスカッションです。 JANOG,インターネット,オペレーション、10年、そんなキーワードがパネリストの皆さんにどう絡んでいるのかを見るだけでも楽しそうな気がしますが、会場からもお声をいただきながら、面白いセッションにしたいと思います。


実行委員長としては、木曜金曜の本会議も、おすすめしたいものばかりです。僕個人としては今後のインターネット全体を考える上で重要な、 「ルーティングとアドレスのこれからを考える @JANOG20」 「IPv4アドレス枯渇を世界各地で、そして帯広 で考える」がおすすめです。


「ルーティングとアドレスのこれからを考える @JANOG20」は、なんとRobert Ruszukが出てくるんですね。加藤朗さん,水越一郎さん,河野美也さんという、第一人者揃いのセッションは、ram@iab.orgにsubscribeしておきながら議論について行けていない僕にとってはあの場で何が展開されているか理解する絶好の機会となるでしょう。また、さっきスタッフメーリングリストで、もう一人凄いパネリストが追加になるとか言っていたけど。。


後者は手前味噌ですみません。ただ、IPv4アドレスがなくなった後、本当に皆さんどうやっていくのでしょうか?僕自身未だにイメージがつかめていませんが、今後5年、あるいは10年を見ていく上で、一つの最重要課題だと思います。JANOGメーリングリストでも容赦ない盛り上がりを見せていました。このままインタラクティブにメーリングリストでの議論を当日につなげて行きたいと思います。


あと一つ、最後のセッション「インターネットオペレーションを語る(仮)」も見逃せませんね。江崎浩さんにもお出ましいただき、荒野高志さん,石井秀雄さん、そして石黒さんというJANOG創設運営委員たちが加わります。どういう話が展開するかドキドキします。お願いだから現運営委員会へのお叱り、なんて内容でないことを祈ります。


長々と書いてしまいましたが、何を隠そう実行委員長の僕が一番楽しみかも知れない、JANOG20です。皆さんもどうぞお楽しみになさって下さい。そして、当日に向けてメーリングリスト上でいろいろと情報が公開されたり、意見が募集されたりすると思いますが、どうぞ積極的にお考えをお示し下さい


帯広で、またオンラインで、お会いできることを楽しみにしています。

日時: 2007年06月25日 08:49 |