JANOG49ミーティング 企画編成委員の鵜野です。

Day1(2022年1月26日 )14:45からTOUGOU (第二ホール)にて行われる
「 国際サービス監視のゼロタッチオペレーション実現に向けて取組んでみた」の発表者である、 岡見 高明さんにお話を伺いました。

ミーティング中の一コマ(右下は実行委員会スタッフ)

●プログラム応募動機と議論ポイントを教えてください

モバイルキャリアにとっては昨今、急激な料金値下げのプレッシャーが押し寄せています。 それにより、抜本的なOPEX(Operating Expenditure)の削減に繋がる対策が必要ですが、現実的に厳しい状況であることも事実です。
このようにモバイル業界にとって厳しい情勢の中、モバイル各社の皆様の温度感や各種取組み状況を議論したいと率直に思い、今回のプログラム発表に応募しました。

自動化ツールを導入? 装置保守を内製化?、もしくは今回お話するZTO(ゼロタッチオペレーション)の導入など、ドラスティックなOPEX削減手段について、NTTグループ以外の方々の意見や考え方を伺いながら議論を深めたいです。

また、ZTO実現に向けた温度感がグループ各社で高まりつつある一方、その実現性や稼働対効果に疑問があるのも確かです。
そのため、
・各社、ZTP(ゼロタッチプロビジョニング)だけではなく、ZTOを実現するモチベーションはあるのか?
・ZTOの適用対象範囲(NW/サービス)をどのように考えているのか?
・膨大な検討稼働(運用整理/システム開発)をどのような見通しで乗り越えていくのか?
これらの点についても参加者と議論したいと思っています。

注目して欲しいポイントはありますか?

「コストと品質の両立に向けた運用業務整理」ですね。

現行の膨大な運用業務をそのまま全て自動化すると、システム開発費の激増により、OPEX削減効果を図ることが出来ません。
そのため、開発ボリューム抑止・品質維持の両立に向けて「1.現行業務の棚卸し」⇒「2.真に必要な業務選定/自動化手段決定」⇒「3.ZTO導入に即した一部業務変更」が必要となるのですが、
「1.現行業務の棚卸し」だけでも800を超過する膨大な量だったため、大変苦労しました。
さらに、その800業務を対象に「2.真に必要な業務選定」⇒「3.ZTO導入に即した一部業務変更」が必要だったのですが、膨大な検討稼働だけでなく、20程度の社内関連部との運用業務整理/合意形成に非常に苦労しました。

基本的に日常業務の振り返り(PDCAで言えば、Check/Actionの部分)をする機会はあまり無く、当たり前に取組んでいるため、当然必要であろうという多少の思い込も含めて、現状維持になりがちかと考えています。
そのため、運用業務整理(必要業務の選定+一部業務変更)に向けて、現状維持派含む、様々な方々との目線合わせ/意識統一化を図るために「視える化(定量/定性評価)」・「相手の困り処に先回りした代替案の提示」を心掛けることで、お互いの想いをぶつけ合いながらも、運用業務整理を敢行することが出来ました。

インタビューを終えて

今動いている保守運用業務を見直し、大きな組織を動かす取り組みの大変さを聞けました。
JANOG49最初のプログラムから深く熱い議論が期待できます。是非ご参加ください!