写真中央:大日方さん

JANOG50ミーティング 企画編成委員の熊本です。

Day1 (2022年7月13日) 16:00からメインアリーナで行われる 「プライベートピアリングへの第一歩」 の発表者である、株式会社コミュニティネットワークセンターの大日方周太さんにお話を伺いました。

プログラムに応募したきっかけを教えて下さい

名古屋地域を地盤としてケーブルテレビへのバックボーン提供などを主にやらせていただいています。いわゆる全国圏の接続事業者ではなく、地域の接続事業者に分類されるのかと思いますが、年々増え続けるトラフィックはどの地域でも同じ悩みを抱えています。
地域の事業者の担当者が集まるコミュニティがあり、そこでは右肩上がりのトラフィックをどう捌いていくかといった議論もよく挙がっています。
その中で大手事業者とのプライベートピアリング(PNI)を初めてやってみるという方がそのコミュニティ内におられまして、PNIを以前からやっている私たちの経験をお話させていただきました。
その際に結構PNIを検討されている地域の事業者が多かったので、今回JANOG50でお話をしてPNIの疑問点や不安を解消し、より多くの事業者がPNIをするようになれればと考えて応募をしました。

IXでのPeerじゃダメなのでしょうか?

私達もPNI先のほとんども、主要IXには接続をしています。
しかし、IXの接続帯域の数十パーセントを占めるくらいのトラフィックがある場合、このトラフィックが移動するだけでも大きなインパクトになります。
またIX接続の場合はどちらも多対多の接続になりますので他の要因で帯域が溢れてしまうといったことも少なくありません。最近はゲームのアップデートやボクシングの配信などでスパイクトラフィックが多くなっていますのでなおさらです。
そういった場合に主要なコンテンツ事業者とは1対1で行うことで安定したサービスを提供できるのではないかと思います。
そしてIXの空き帯域を利用してピアリングを加速させたいと考えています。

PNI需要が増えてきたのは何故でしょうか?

動画配信でも高ビットレート化や、4K配信なども一般的になりつつありますし、ゲームのパッチでも1回で50GB程度のダウンロードを行うものも増えてきました。残念ながらエンドユーザの数が伸び悩んでいてもトラフィックだけは年々増加しているのが現状です。そういった中でキャッシュサービスを行っているコンテンツ事業者は地域にキャッシュを置くといった事でエンドユーザがより近い場所でコンテンツを取得できる仕組みなども近年利用してきました。
しかしキャッシュの設置の条件も年々上がってきており、設置が難しい事業者、あるいは設置をしているがキャッシュとコンテンツ事業者間のトラフィックが増えているという事もあるかと思います。そもそもキャッシュを設置しないポリシーのコンテンツ事業者も数多く台頭してきたというのもあるかもしれませんね。

最後に参加者とどのような議論がしたいか教えて下さい

本当はCATV事業者の方々にいろいろお聞きしたかったのですが、裏のセッションがCATV事業者ドンピシャの内容となってしまいモロ被りしちゃいましたね・・・
それでもいままでPNIをされている方には作法や交渉方法、PNIあるあるなど、そういった事を皆さんがどうやられているのかなどを教えていただきたいですし、まだPNIやったこと無い事業者さんからはどういったところが不安かなどを解消して一歩踏み出せるようなセッションになればいいかなと考えています。
みなさま是非議論に参加ください!

インタビューにご協力いただきありがとうございました。