JANOG50ミーティング 企画編成委員の小林です。

Day3 (2022年7月15日) 10:45からメインアリーナで行われる 「ローカル5Gで無線映像伝送やってみた」 の発表者である、株式会社ミクシィ 開発本部 CTO室 インフラグループ 市野 真一さんにお話を伺いました。

プログラムに応募したきっかけを教えて下さい

ミクシィに入って1年、映像伝送やローカル5Gに携わらせてもらいました。

これまで、様々な場所でローカル5Gについては様々な場所で議論がされていることは知っていましたが、ローカル5Gで実際にどのようなデータが取れるかといった現実的な議論はあまりされていないと感じていました。

今回は、実際に私が現場で取得したデータを共有しながら、ローカル5Gの特性やどのようなデータが取れるかといったことを議論したいと思い応募しました。

ローカル5GとWiFiの違いは ?

これまで通信で使用してきたWiFiと今回使用したローカル5Gの大きな違いは、ローカル5Gによる通信のほうが混信しにくいことだと思います。

もし、データの送信のタイミングで混信を起こしてしまうと端末側でどちらの相手に送信すればよいか分からなくなるタイミングが生じてしまい、それが映像の乱れにつながってしまいます。

また、ローカル5Gのほうが既存のWiFiより帯域を広く使える点もローカル5Gの利点だと思います。

WiFiとローカル5Gの映像遅延や品質の比較については、実際の映像を交えて発表時にお出ししたいと考えています。

ローカル5Gを用いた映像伝送に関わって苦労した点を教えて下さい

開発をしてみて一番苦労した点は、端末側でローカル5Gに接続できる端末が少なかったことです。

自転車レース用の車載カメラという制約があったため小さくて軽い端末を探していたのですが、ローカル5Gに対応した希望の製品をなかなか見つけることができませんでした。

結果的にどうしても見つけられなかったので、自分達で端末から作ることにしてしまいました(笑)

実際に開発するにあたって、端末側のWebカメラで使用したRaspberryPiのスペックが低く、単純に映像を送信しようとすると360pの映像しかでないので、1080pの映像を出すために機器の性能を最大限使えるようなコーディングをするなど苦労しました。

また、無線遅延や干渉などでどうしても生じてしまうジッターの影響を、いかにして減らして映像を安定させるかといったチューニングについても試行錯誤しました。

最後に参加者とどのような議論がしたいか教えて下さい

ネットワークに関わっている人や実際にローカル5Gを運用している人と、ネットワークの設計方針やローカル5Gのメリット/デメリットについて話し合ってみたいです。

また、開発でRaspberryPiをゴリゴリチューニングしてきたので、ハードウェア寄りのソフトを書いている方とハードウェアのチューニング方法について議論をしてみたいと考えています。

 

インタビューにご協力いただきありがとうございました。