こんにちは!企画編成委員の真崎です。

JANOG50プログラム紹介 第1弾は、Day1(7/13)「マンガ海賊版サイトの技術要素と対策法」をご紹介いたします。

今回は、登壇される山下 健一さん(さくらインターネット株式会社)、石田 慶樹さん(日本ネットワークイネイブラー株式会社)、高見澤 信弘さん(株式会社Jストリーム)、宮内 秀輔さん(ヤフー株式会社)にお話を伺いました。

画像上段左から、古田、熊本、高見澤さん、
画像中段左から、真崎、宮内さん、石田さん
画像下段左から、山下さん、岡田

「技術者」の視点でみた海賊版サイト問題

真崎:応募の経緯をお聞かせください。

山下さん:エンジニア目線で海賊版サイト問題を見てみて、わかったことと、その結果どういった対策が必要だろうかという目星がみえてきました。今回、JANOGにご参加いただく多くの方にお話ししてご意見をいただくとともに、現在の課題の状況を広く共有し、問題提起をしたいというところがきっかけです。

石田さん:技術者のこれまでの取り組み方は聞かれたことに答えるという対応でした。しかし、我々としてもプロアクティブに動いた方がいいのではないかということで、このメンバーで活動し始めました。今までは、手が回っていなかった分析や解析を行い、海賊版サイトの中身からどんな対策ができるかを模索しています。

自分だったら何ができるだろうか

真崎:プログラムの注目ポイントや参加者に特にこれを伝えたいという点はございますか。

山下さん:一番は「自分だったら何ができるのか」を考えてほしいです。自分が所属する会社だったら何ができるか、もしくは、自分が持っているエンジニアとしての知識で何ができるのかを考えてほしいです。あるいは、自分だったら通信が守らなければいけない”自由”をどうやったら守れるのか、ということを考えていただきたいです。

それぞれの立場からの取り組みについて

熊本:様々なWEBサービスを運営するヤフーと海賊版サイト対策とのかかわりはどのようなものでしょうか。

宮内さん:弊社の検索サービスなどは海賊版サイトの流入ルートの一つであることから対策を検討して各種実施しています。しかしながら、例えば検索は海賊版サイト運営者と直接の関りがなく、間接的な対策にとどまり海賊版サイトを排除するまではできません。その上で他にはどんな対策ができるのか、IT業界のエンジニアリング力で皆さんと考えていきたいです。

活動のモチベーションについて

真崎:活動のモチベーションをお聞かせください。

石田さん:インターネットの自由を減らすのではなく自由を守るためにそれぞれの事業者が何ができるかを考えてきました。元々の動機はコンテンツ、CDN、ドメイン名、DNSのそれぞれの事業者の自律性を守ることですが、そういったサービスが悪用されて現実に被害者がいるという現状をみて、事業者としてできることはあるのではないかという気持ちをもって取り組んできています。

高見澤さん:インターネットのコンテンツ配信は膨大なトラフィックが流れています。そこで生まれる利益がきちんと分配されるように、その仕組みを守っていきたいと思っています。

技術者の視点で対策を考えることについて

熊本:今までの海賊版サイトの話はどうしても政治的な部分が強かったのですが、今回技術者の視点で何ができるのかを聞けるため、様々な立場の人がそれぞれの立場で考えるきっかけになると思いました。

山下さん:そうですね、法律の面からではなくエンジニアリングで何ができるかというのはあまり見られませんでした。

熊本:今回お話をきいて、ISPなど一方の関係者だけに対策を負わせるのではなくみんなでできることを考えていくセッションだと感じました。

感想

これまでの法律面からのアプローチとはちがい、技術者目線から問題の分析・解析を行い、対策を模索しているところに興味があります。
今回の発表では、その分析結果や対策の目星を聞けるのでとても楽しみです!