JANOG50ミーティング企画編成委員の小澤です。

  

今回のニュースレターは、Day1 16:00~16:30 1F武道館A+B にて開催される
長岡のCATVがNTTを使い倒してみたら…」をご紹介させていただきます!

今回はご登壇される
株式会社 エヌ・シィ・ティ 稲川さん
株式会社インク 越智さん
東日本電信電話株式会社 西澤さん
にインタビューさせていただきました。

上段左から 立松、小澤、越智さん
下段左から 西澤さん、稲川さん、熊本

プログラムに応募いただいた経緯を教えて下さい。

越智さん:
CATV局は自社設備で頑張りたいという思いが強いですが、別の選択肢の一つとして、NTT東西のダークファイバを活用する「シェアドアクセス方式」で実は安く借りることも出来ます。今あるリソースをもっと有効活用して欲しいという思いから応募しました。

稲川さん:
CATV事業者の課題であるFTTH化において、当社では自社構築に加えてシェアド方式を採用したことが、成長戦略上非常に有効でした。
シェアド方式の活用方法については、何度かCATV連盟の会でもご説明してきましたが、まだまだ知られていないので、光化を検討されているみなさんの参考になればと思います。

西澤さん:
NCTさんの事例のようにNTTで既にあるものはどんどん使い倒して欲しいです。

どのような経緯で三者が集まり関係性がChangeするようになったのでしょうか。

稲川さん:
もともと、エリア内のいくつかの地域で公設民営方式にてFTTH構築をしたことはあったので、社内にFTTHのノウハウはありましたが、既存エリアの光化は喫緊の課題でしたので、何とか早く、安く構築する方法はないかと考えていました。自社構築したエリアでは、人口減少を見据えた端子数の配分や将来的な拡張性などを踏まえ、そこで検討した様々な工夫を盛り込みました。
また、既存エリアの高度化だけではなく、エリア拡張を念頭に置いていたのですが、0から設備を構築すると時間もコストもかかります。この時に、シェアド方式という手段があるなということで、検討することになりました。

立松:
どのようにシェアド方式の検討は始まったのですか?

稲川さん:
もともとシェアド方式という存在は知っていましたが、具体的なやり方はまったく分かりませんでした。
そこでまずは、当時西澤さんが部長のチームに相談に行き、その中で相互接続の仕組みや制度を勉強していきました。約款を読み解くという作業が最初のハードルでした。
そこから自社構築と並行しての約1年をかけて最初の開局を迎えるのですが、わからないことばかりでしたので結構な苦労となりました。
その最初の開局の直後に他社でシェアド方式でのサービス立ち上げを経験している越智さんとお知り合いになりました。正直、もっと早く出会いたかったです。

シェアド方式はSDGs?

熊本:
CATV事業者とNTTは競合する部分が多いですがそのあたりは大丈夫だったのでしょうか。

稲川さん:
今でも、ケーブル共架・添架のために電力さんやNTTさんに電柱をお借りしています。社内において、電柱を借りるのも光ファイバーを借りるのも一緒だと説明をしました。
今ある資源を有効活用するという意味では「SDGs」上でも正しいかもしれません。

立松:
実際社内での反応はどうでしたか?

稲川さん:
社内の反発はありませんでしたが、そもそも、どういったものなのか理解出来ないという部分が大きかったです。まずは相互接続の制度を説明することから始めました。

どのような議論にしていきたいですか 。

西澤さん:
NTTとCATVは競合しあう関係だと思われがちですが、お互い設備を持っている者同士の困りごとをお互いで解決したいと思っています。
これから先、みんなが設備を維持しつづけるのではなく、あるものを使っていった方が全体の最適化に繋がる場合もあることを伝えたいと思っています。
シェアド方式を採用しない会社に対しては、なぜシェアド方式を使わないのか理由を聞いてみたいというのが率直な気持ちです。
「なぜやらないのか」「ネックがどこなのか」をお互い議論することで お互いが良い結果に繋がっていく可能性があります。
実務に携わる人が多いJANOGだからこそ出来る議論があるのではないのかと思っています。
皆様の率直な意見をお聞きしたいと思っています。

    

他にも「ここだけの話」をお聞きすることができ、当日がさらに楽しみになりました。インタビューにご協力いただきありがとうございました。