JANOG51企画編成委員のみたにです。

プログラム紹介のニュースレターとして Day2 の 14:00~15:30 に 信玄(オンライン) にて行われる「「情報Ⅰ」の必須化がもたらすもの」をご紹介いたします。

画像上段左から
水越 一郎さん (東日本電信電話株式会社)、 鹿野 利春さん (京都精華大学 メディア表現学部教授・一般社団法人デジタル人材共創連盟(デジ連) 代表理事)、 久島 広幸さん (株式会社インターネットイニシアティブ 技術顧問)
中段左から
中村 雄大さん (広島大学大学院 M2)、 奥屋 玲香さん (広島大学大学院 M2)、 佐々木 健さん (アンケート、受験体験サイト作成)
下段左から
三谷 公美 (企画編成委員・一般社団法人LOCAL/さくらインターネット株式会社)、 吉岡 良真 (プログラム委員・株式会社シーズ)

プログラムに応募されたきっかけを教えてください

水越:
JANOG27 (2011.01.20 金沢) にて、「高校の情報の授業を知っていますか?」というセッションをしました。その時に、今回も登壇いただく鹿野先生を紹介してくださったのは、北口 善明さん (東京工業大学 准教授) でした。
2022年度からは高校では、従来の「社会と情報」「情報の科学」から「情報Ⅰ」に替わりました。そして、2025年度大学入学共通テストから、新教科「情報」が実施され、国立大学では原則受験必須という話もあります。
12年経って、北口さんと、「またJANOGで教育セッションをやってみよう」と話をしたことがきっかけです。

当日はどのようなセッションになるのでしょうか

水越:
JANOG27と同じく、司会は水越が務めます。
また、12年前、石川県立金沢二水高等学校の教諭だった鹿野先生は、現在、京都精華大学にいらっしゃいます。文部科学省に高等学校情報科担当の調査官として勤務され、新学習指導要領をまとめた後、情報Ⅰ・情報Ⅱの教員研修用教材をまとめられた、情報教育の施策の中心人物でもあります。
セッションの前半は、その鹿野先生に、「情報科」がどのように変わったのかを経緯を含めて説明していただき、参加者の皆さんに全容を把握していただきます。その後、久島さんからは産業界からの、中村さん、奥屋さんからは若者からの意見を聞かせていただきます。

鹿野:
これまでと比較すると、情報Ⅰ・情報Ⅱでは内容ががらっと変わります。
それを踏まえて、これからどんな世の中になるのか、どんな準備をしたらいいのか、先生が困ってしまうような場合には手伝ってあげられるような雰囲気ができたらいいなと。
これからは、プログラミングや情報デザインに興味を持つ子がもっと出てくるはずです。現場の先生が指導するのが困難な場合、それを手伝える仕組みが作れたらとデジ連を立ち上げました。
先生たちが困っている時に、ちょっと助けてくれる人がいれば子供たちが助かります。そして先生の知識も増えていきます。

久島:
せっかく「情報」が高校の科目になり、入試科目にもなるのですから、「本当に先生が教えられるの?」みたいな批判をするのではなく、この機会に日本のエンジニアの力量をあげていけるような、そんな動きにできるといいですね。

中村:
広島大学大学院修士2年の中村です。教員免許は取りましたが、春からはSIerで働きます。教育現場のDXに関わっていきたいと考えています。
私は、学校現場のリアルがどのような状況なのか、教員だけではどうしてもどうしようもない部分があること、そこを産業界やエンジニアにどうやったらつなげていけるのか。どうしたら、みんながハッピーになれるのかを議論できたらと思っています。

奥屋:
同じく、広島大学大学院の修士2年です。春からは、国立の中高一貫校で教職につきます。現在も中学の技術、高校の情報の教員をしていますが、これが情報Ⅰに変わっていくことに、漠然とした不安を感じています。この不安は決して小さくありません。意見交換や議論など、参加される方々とたくさんお話がしたいです。

鹿野:
現在、ウェブや動画などの教材を猛スピードで作っているところです。
JANOG27 の頃に不満だったことは、大体解消できました。しかし、解消したおかげで内容がかなり高度になり、先生方が大変になってしまいました。
子供たちのほうが高度なことができるようになってしまって、先生たちの方は、授業より高度なことに対応できる人はごく僅かです。
もっと頑張りたいという、適切な指導があればもっと伸びるはずの子供たちが、「わからないからやめちゃったー」となるのを減らしたい。
産業界の皆さんには、授業もさることながら課外活動の方で助けてもらえたら、いい循環ができていくのではないかと思います。

水越:
最近は、吹奏楽や体育系の部活動を地域の指導者にお願いしようという話もありますね。これからは、情報系の部活には、業界がサポートしていくというようなこともできるのではないでしょうか。
JANOG51 で議論できることを楽しみにしています。

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