P4から探る、サーバーサイド高速パケット処理の現状と展望

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概要

2023年1月26日 Intel Q4 2022 Earnings Call にて Tofino Switch ASIC 製品ラインの新規開発中止が発表されました [1]。それと同時に、IPU (MountEvans) と呼ばれる高速なパケット処理パイプラインとプロセッサを備えた SmartNIC やDPDK/IPDKなど、サーバーサイドでのP4活用に注力する事が発表されました [2]。また、Intelに限らず、NVIDIA(Mellanox)やAMD(Pensando)など他の半導体ベンダもSmartNICを製品ラインに加え、販売を推進しています。さらに、eBPF/XDP, Linux TC (Traffic Control) など、Linuxを中心としたサーバーOS上で動作するソフトウェアへP4の適用が広がっています。

これら “サーバーサイド高速パケット処理” 研究開発加速の背景には、Google や Microsoft など Hyper Giants による商用サービスでの SmartNIC 活用がありますが、IPU/DPUを搭載したSmartNICの登場から数年が経過し、これらの活用事例も公開されつつあります。例えば今年4月には、Azure での AMD Pensando を用いた事例が詳細な論文として公開されたのは記憶に新しいかと思います [3]。また、Hyper Giants 以外でも利用可能なように、SmartNICを活用するフレームワークの公開や、それらを推進するコミュニティの活動も活発化しています。

本発表では、IPU/DPUやそれらを搭載したSmartNICの技術的な解説、活用事例を中心としたユースケース、活動を推進するコミュニティの状況、等について解説し、サーバーサイドでの高速パケット処理の現状を共有します。

そして現状を踏まえ、「我々自身はどのようにこの技術を活用可能か?」 「活用するためには、どのような課題の解決が必要なのか?」 等について皆様と議論したいと考えています。

[1] https://zenn.dev/ebiken_sdn/articles/72e055b9e4c005
[2] https://zenn.dev/ebiken_sdn/articles/349e06852bd143
[3] https://www.usenix.org/conference/nsdi23/presentation/bansal

場所

2F コンベンションホール

日時

Day3 2023年7月7日(金) 14:45~15:30(45分)

発表者

海老澤 健太郎
トヨタ自動車株式会社

Kentaro Ebisawa(Toyota Motor Corporation)

公開資料

発表資料(海老澤)

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