Day3(2024年1月19日) 10:15~11:15に開催される「The Internetの運営機構を堅牢にするために」の発表者である前村昌紀さん(一般社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター)と松崎吉伸さん(株式会社インターネットイニシアティブ)に、本プログラムについてお話を伺いました。
応募したきっかけ
JANOG52で「地域インターネットレジストリは本当に堅牢なのか?」というプログラムをやりました。有体に言ってしまうとその続編ということなのですが、JANOG52では「ちょっとヤバい問題があるんだよ、対処中なんだよ」というところまでで、不安を煽るだけ煽っただけという状態でした。それ以降、9月に京都でAPNICの30周年となるAPNIC56カンファレンスがあり、その2週間後にAfrica Internet Summitがヨハネスブルグでありました。それぞれに対応の進展があるので、まずはそれをお伝えしたいということです。
また、今回JANOG53のテーマはThe Internetということで、インターネット好きのおじさんにはたまらないわけですが、RIRはインターネットを支える根幹の一つでありつつ、このように問題が起こることがあり、それにきちんとみんなで対処して仕組みを進化させることこそが、The Internetを動かしていくことに他ならないと信じていまして、単に情勢共有に留まらず、そういう根っこの部分に議論が及ぶといいなと思って応募しました。
アピールポイント、議論したいこと
これまで、RIRsなどの動きには関心を持っていただきたいとは思いつつ、特に心配されることもなかったわけですが、AFRINICなどの例もあり、シビアな状況になってきていると感じています。インターネットを利用する人が増えて、様々な人がかかわってくる中で、悪意のある攻撃にも対応できる堅牢なRIRにならなければならないと考えています。
応募したきっかけでも話していますが、APNICやAFRINIC、そして実はAPNIC56の3週間後に同じく京都で開催されたインターネットガバナンスフォーラム、また、10月にドイツ・ハンブルクで開催されたICANN78でも、本件に関して着目するべき動きがありました。The Internetの運営機構全体でちょっとそういうシーズンに入った感がありまして、その辺をお伝えして、皆さんのお考えを伺いたいと思います。
JANOG53の参加者への期待
JANOGで技術に当たられている方の多くには、少し縁遠い話に聞こえるのかもしれないですが、The Internetを支える根幹を担う機能に関して、問題があって対処するという今のようなタイミングでしか垣間見られないダイナミズムを味わっていただいて、関心を持っていただければと思います。
最後に
このプログラムに参加して、私たちが各所で行っている検討状況や結果を知っていただき、固定概念にとらわれない提案や、不足点の指摘などをいただきたいです。
また、グローバルな場でこのような問題にかかわって行ける人が増えてくれることを願っています。