
Day2(1/18) 15:00~15:45に開催される
「ついにIPv6向けUPnPが実運用フェーズに!〜 ゲームのP2Pオンライン対戦での活用フィードバックを添えて 〜」の発表者の
・株式会社コナミデジタルエンタテインメントの佐藤さん
・NECプラットフォームズ株式会社の川島さん
・NECプラットフォームズ株式会社の平野さん
から、コメントを頂きましたので、以下にご紹介をさせていただきます。
応募したきっかけ
平野さん、川島さん:IPv6 UPnPの共同検証を行ってきたコナミさんからお誘い頂いたためです。
佐藤さん:ゲームで扱うネットワーク技術やユーザのネットワーク環境に合わせた対応は、ゲーム業界で閉じて考えていると昨今の環境変化に対して後手後手の対処になりがちです。 また、長い目でみてインターネットとコンテンツがよりよい関係を築くためには、インターネットを作り運用している方々や、インターネットを利用する様々な事業者と相互理解を深め、共にユーザ体験を改善できるよう取り組んでゆくのがベターだと考えています。 JANOGは一方的な発表に留まらず、お互いの認識や課題を理解し合い議論できる国内の数少ない場であり、今回挙げる「IPv6向けUPnP技術」を挙げる場として良い選択肢だったので、応募をしました。
アピールポイント、議論したいこと
平野さん:今までのIPv4 UPnPはIPv4 over IPv6で動作させようとするとポートの制約など大きな縛りがございました。IPv6 UPnPはそのような制約の無いことがルータ観点では大きなメリットです。IPv6でのP2P通信を容易に実現できるため、より安定した通信環境をユーザに提供できることも良い点です。 そのようなIPv6 UPnPですが、正しく実装しなければセキュリティホールになり得たり、既存のIPv4 UPnPに影響を与えてしまったり、ルータに対してデメリットを生み出してしまいます。これからIPv6 UPnPを実装する方に向けて、失敗しないためのベストカレントプラクティスを共有できたらと思っています。
川島さん:コナミさんと昨年よりIPv6 UPnPの共同検証を行ってきており、両社での製品化を実現した為、これまでの取り組みなどを共有させていただくと共に、IPv6 UPnPの今後について参加者の皆さんと議論したいと思います。
佐藤さん:「UPnP」はIPv4で長年使われてきた技術で、「接続性」という観点だと、ゲームや家電・IoT機器で活用されてきました。 しかしながら、IPv6ではUPnPが使えない状態(対応ルータ/クライアントが存在しない)が続いており「IPv6がIPv4に劣る部分」として根深く残っていました。
上記を含めたIPv6にまつわるUPnPの諸問題を解決すべく、昨年度より株式会社コナミデジタルエンタテインメント・NECプラットフォームズ株式会社の両社で共同研究・検証という形で対応を進め、2023年9月にIPv6でUPnPが動作するルータ/ゲームクライアントが市場に投入されるところまでたどり着きました。今回のプログラムでは「IPv6向けUPnP」という技術をおさらいしつつ、市場投入までに行ってきた検証、現時点での実装や活用事例を解説します。
そしてそれを踏まえて、この技術がIPv4のUPnPと同じように、皆が自然と活用できるインターネット環境にするための議論を会場で出来ればと思っています。
IPv6の可能性を広げ、IPv4トラフィック削減やQoSを絡めたユーザ体験の向上も実現できるこの技術、 興味がある、ルータベンダー・ISP事業者・コンテンツプロバイダーの皆さんは、ぜひ会場で色々と議論しましょう!
JANOG53の参加者への期待
平野さん:IPv6 UPnPを国内に広めるために、活発な議論をしたいです。
川島さん:IPv6 UPnPに対する知識習得を行っていただくと共に、今後に向けた議論をしたいです。
佐藤さん:先日、Internet Watch さんの記事にもなったように、すでに市場で活用され始めています。
「AtermがIPv6による新世代UPnPに対応! KONAMIとの共同検証で実現したピンホール制御で、ゲームもIoTもIPv6直接接続へ」
「うちのベンダーも採用してみたい!」「こういう用途には活用できる?」「自身の環境で試したい場合にはどうしたら良い?」等々 いろんな立場からの意見や質問を気軽にぶつけて頂けたらと思います。 プログラム中の議論はもちろん、プログラムの直後にBoFの枠(※)も確保しましたので、より詳細な話をしたい方やこっそり聞きたい方は、そちらでも是非お話ししましょう!
※BoFの枠 (※プログラム終了後、順次移動予定)
Day2(1/18) 15:30~17:00「IPv6 向け UPnP BoF」(場所:210A)
https://www.janog.gr.jp/meeting/janog53/norabof/
最後に
平野さん:JANOGは初参加となります。当日は絶対に緊張すると断言できますが、一方で参加している皆様と共にJANOGの空気を楽しみたいと思っていますのでよろしくお願いします。
川島さん:JANOGにはJANOG8で初参加、JANOG11~JANOG20にてスタッフとして10回連続参加させていただき、実行委員長、プログラム委員長、LA委員長、プログラム委員、司会などを経験させていただきました。発表者の立場ではJANOG15, 24, 26, 27.5, 30でプレゼンさせていただきましたが、以降はしばらくJANOGから遠ざかっていましたので、久しぶりのJANOG参加を楽しみにしています。
佐藤さん:IPv6向けUPnPの話は「JANOG49 LT」で出した話題であり、それがきっかけとなって、今回の事例まで発展をしてきました。
「IPv6版ポート解放!? UPnPでWANIPv6FirewallControlを使ったゲームのP2P通信をしてみた!」
この2年間でやってきたことを、JANOGの場に歴史として刻めるのは、本技術をインターネット標準へ還元するという一つの目標への一歩でもあり、嬉しく思います。
また、UPnPと直接関係はないですが、実は今回の実装で様々なプラットフォームにおける「IPv6 Stackの実装」で多くの問題に直面しました。 「IPv6は普通に使えるぞ!」と主張される方が多い中「コンテンツを作る上では、まだまだバグや課題があるよ!」いう開発者目線での問題提起も懇親会などでお話しし、盛り上がれたらなぁ、と思います。