概要
携帯電話でインターネット通信を実現するためには、無線・コアネットワーク・ISPの3つのレイヤが必要です。このうち、コアネットワークを構成する装置は、かつては専用ハードウェア上で動作していました。その後、ドコモでは一般的なVMベースの仮想化技術を導入することで汎用ハードウェアの利用を実現し、現在では80%の装置が仮想化されています。
ドコモでは、2015年から仮想化にあたりOpenstackでIaaS基盤を構築しています。これまでソフトウェアのマイナーアップデートやハードウェア更改を実施してきましたが、今回導入から7年が経過し、初めてOpenstack複数世代Skipした基盤ソフトウェア更改に取り組みました。
開発では、従来の更改と複数世代Skip更改を比較して以下2点が大変でした。
- 更改にかかる設備コストを抑えるため、Blue/Green更改ではなく、世代の異なるOpenstackを併存させながらローリング更改に対応した際の課題と対応
- 関連システムに対しAPIバージョンアップの後方互換性を持たせるためGW機能の追加開発
また現在は商用導入中で、従来と比較して2倍近くのソフトウェア更改期間を設けて対応しています。
本発表では、開発時の検討・検証および商用導入で得られた知見・気づきを共有します。仮想化基盤を利用しているJANOGの皆様と、仮想化基盤のソフトウェア更改方針やその課題について、ディスカッションできればと考えています。
議論ポイントは以下です。
- 仮想化基盤を構築しているか?どのように仮想化基盤を構築しているか?
- 構築している場合はどのようにソフトウェア・ハードウェア更改しているでしょうか?
- まとめると、商用のライフサイクルは長期間であるため、短いOSSサポート期間内に仮想化基盤の商用更改を実施するのは現実的でないと考えています。皆様はどのように仮想化基盤のソフトウェア・ハードウェア更改している/したほうが良いと考えるでしょうか?
- 弊社と同様にOSSバージョンを複数世代SkipしつつOnline Upgrade
- Blue/Green方式で更改
- 更改しない(保守はどうするか?)
他の選択肢の有無も含めて、議論したいです。
場所
Port53 room(304-305)
日時
Day1 2024年1月17日(水) 15:45~16:30(45分)
発表者
磯田 卓万
株式会社NTTドコモ
鎌田 亨
ドコモ・テクノロジ株式会社
事前資料
公開資料
Slackチャネル
会期中や会期終了後の議論にお使いください
#JANOG53-仮想化基盤ソフトウェア更改に向けた取り組みとその課題
アーカイブ配信
アーカイブ配信は2024年2月29日(木) 13:00をもって公開終了しました。