OSSのNWオーケストレータの不具合を対処し、基本動作まで半年かかった話

概要

Open Source Software(OSS)はコミュニティドリブンで開発・運用が進められ、有志の方々の尽力により機能追加や不具合対処が迅速に行われるためネットワーク分野に限らず、非常に強力な文化となっています。
一方で、多機能なOSSはソースコードが複雑化し、機能追加や依存コンポーネントのversion変化に不具合対処をする速度が追いつかず、利用ができなくなってしまうケースも存在します。
私たちは、ONAPと呼ばれるNWオーケストレータを用いたNW自動化の実証に取り組みましたが、
・該当バージョンの環境構築手順のページが存在せず、過去バージョンを元に適宜修正
・コンテナのデジタル証明書の期限が切れたが、サポートが前倒しで終了し見捨てられた
・yamlファイル作成のスクリプトに不具合があり、構文エラーが発生
等の多数の不具合と手順調査に時間がかかり、動作するまでに半年を要しました。この苦労話を皆さまと共有しつつ(大事)、皆さまが利用中のOSSが抱えうる
・利用者が減ってしまい、不具合対処が進まなくなり、また利用者が減るという負の循環
・依存コンポーネントのversion upによる動作変化
・ドキュメント整備が開発に追いつかない
などの悩みについて議論していければと思います。

他の対象OSSとして私たちの経験では以下があります。OSS関係者への敬意を忘れずに広く議論できればと思います。
・LLMのFine tuning系(Nvidia driverとpytorch関係)
・Nephio(ドキュメントがgitから別ページへ移設、構築時エラー発生)

議論ポイント

・OSSの環境構築に苦労したことはありますか?(特に初期開発から年数が経過したもの)
・貴重なOSS資産を継続的に利用するために、私たちはどうすればよいか(開発者目線/利用者目線)
・OSSの不具合に対して、issueやpull requestは出しますか?
・サービス提供中のOSSのversion upは積極的にしますか?
・ONAPを使ったことはありますか?

場所

第3展示場A

日時

Day2 2025年1月23日(木) 16:00~16:45(45分)

発表者

桜庭 皆人
Minato Sakuraba
株式会社KDDI総合研究所

公開資料

JANOG55_oss_OSSのNWオーケストレータの不具合を対処し、基本動作まで半年かかった話_桜庭皆人_最終版

アーカイブ配信

\このページをシェアする/