概要
ネットワークの設計において、主系副系を分離するなどの任意のルータ間での経路制御を行いたいことがあります。経路制御を実現する手法はいくつかありますが、ネットワークでIGPが動作していることは期待されるため、IGP メトリックを用いて経路制御する方法が導入しやすいです。しかし、IGPではネットワーク全体で最短メトリックが計算されるため、ルータ間の経路制御との整合性を保ったまま各リンクのメトリックを決定する部分に課題があります。
そこで我々はネットワークの物理構成と実現したいルータ間の経路要件を入力し、各リンクのメトリックを計算するツールを開発しました。全てのルータ間の経路要件を数理最適化問題の制約としてソルバに入力し、制約を満たすメトリックを探索し出力します。
複数拠点間に主系副系の冗長リンクがある我々のネットワークにこのツールを適用しました。具体的には、通常は主系リンクを使いますが、障害などで副系リンクから流入したトラヒックは副系リンクを使う経路制御がIGPメトリックによって実現できることを確認しました。
本発表を通して、IGP メトリックの使い方、ネットワーク運用における経路制御のユースケースとその実現方法、数理最適化問題の活用事例について議論したいと思います。
議論ポイント
* IGP メトリックの使い方
* ネットワーク運用における経路制御のユースケースとその実現方法
* 数理最適化問題の活用事例
場所
第3展示場B
日時
Day3 2025年1月24日(金) 14:15~15:00(45分)
発表者
竹中 幹
Takenaka Motoki
NTTコミュニケーションズ株式会社
藤原 達弥
Fujiwara Tatsuya
NTTコミュニケーションズ株式会社
公開資料
JANOG55_igp_IGPメトリックってどのように使っていますか?_竹中幹_藤原達弥_最終版