概要
携帯電話でのインターネット通信には、無線・コアネットワーク・ISPの3つのレイヤで構成されており、テレコムアプリは高性能且つ安定動作が必要である。テレコムアプリを収容するコアネットワークのサーバは最大限の性能を利用するポリシーで導入、及び運用している。昨今、サーバの性能向上や省電力機能の高度化が進んでいるため、アプリの高性能且つ安定動作を維持しつつ、省電力化に取り組んだ。
ドコモでは2015年からVMベースでテレコムアプリの仮想化を進めており、約10,000台のサーバが常時稼働している。ドコモでは環境負荷を低減するため、消費電力量削減を目指し下記2点を取り組んでいる。
・コア数拡大による収容効率向上の取り組み
テレコムアプリの信頼性を損なわないサーバ構成の変更方法、及び想定効果
・CPUの省電力機構を活用する取り組み
テレコムアプリの性能・安定性を損なわない妥協点の見定め方法、及び検証項目数を最小化する検討、想定効果
本発表ではテレコムアプリで必要な性能・安定性・信頼性を維持しつつ、省電力効果を得るために検討を進める中で得られた知見・気づきを共有します。JANOGの皆様とサステナブルなネットワークの実現に向けた省電力の取り組みについてディスカッションできればと考えています。
議論ポイント
①ネットワーク機器のように性能要件や信頼性要件が厳しいソフトウェアに対して電力削減の取り組みをしているか?品質がネックとなり、省電力施策を取り組めないことはあるか?
②アプリのコンテナ化が促進されているが、性能効率や電力効率面の評価はどうなのか?想定とは異なることも多々あるのか?
③電力量の見える化や夜間帯だけ電力を抑制するような電力関連の施策を行っているか?
④新規サーバを導入する際はアプリ特性を考慮し、コア数やクロック上限値のどちらに重きを置いているのか?新規サーバ導入時は現行サーバより性能向上したコア数、クロック上限値を選定しているのか?
場所
第3展示場B
日時
Day1 2025年1月22日(水) 15:45~16:30(45分)
発表者
公開資料
テレコムアプリを収容する 仮想化基盤での省電力化実現方法とは? ~一筋縄で省電力化は実現できなかった~( 早川/高橋/川北/鎌田)