オペレータに嬉しいネットワークスライス ~ Network slicing without monetize ~

概要

突然ですが「ネットワークを分割」というキーワードに皆さんはどのようなイメージを持ちますでしょうか? L2/L3を例にすると、スイッチ自体を物理的に分けることも、VLANのように仮想的に分けることも容易に想像出来ると思います。 モバイル業界はIT業界の枯れた技術やトレンドを取り込んでいく風潮があり、 仮想化/コンテナ化やAPIオープン化などをはじめ、ネットワークの分割もネットワークスライスという名前で検討が進められています。このように技術を切り口として流れを見てみると、ネットワークを分割するというスライスの考え方は悪いものではないように見受けられます。

ここで、一般的にネットワークスライスは5Gの目玉機能という文脈で語られており、世界中のモバイルプレイヤーがマネタイズを意識してスライスの活用事例を議論・模索している状況です。 この流れは国内においても例外ではなく、ドコモでも過去のJanogにおいてスライスに関する分析やユースケースに関して共有・議論をさせて頂いております。 (参考: https://www.janog.gr.jp/meeting/janog53/sla/) ですが、ネットワークスライス自体はモバイル網を分割/構成するための技術の一つであり、マネタイズを目的としたものではありません。 スライスの技術はB2Xを想定したマネタイズに縛られるものではなく、発想によってはオペレータの運用を良くするための技術であると考えています。

ドコモでは、お客様に対するスライシングサービスの検討と同時に、スライスによるオペレータ観点の課題解決についても検討してきました。
具体的な例として運用の観点で以下のような課題が考えられます。
・モバイルシステムでは音声サービスとデータサービスが密接に関わっているため、データ設備が障害となると音声設備にも影響を及ぼしうる。
・網が複数の論理装置群により構成されているため、新機能や新設備に対する試験方法が複雑かつ多岐にわたる。
ドコモではこうした運用課題に対してスライスの技術を用いて解決に取り組んでいます。

本プログラムでは、5Gで謳われるスライスを改めて振り返りつつ、技術/運用を切り口としたユースケース/課題解決例を共有していきます。 検討の中で明らかになった注意点や課題についても共有していくことで、オペレータが嬉しくなってしまうようなスライスのユースケースを議論する土台が生まれたらと考えております。

議論ポイント

・5Gネットワークスライスとは何かを改めて紐解き、技術的に何が嬉しいのか明らかにする
・マネタイズに囚われないネットワークスライスの例(サービス特性に応じた分離,フィールドテスト効率化)
・スライスの運用における注意点(端末挙動,LTEとの相互運用)
・ネットワークスライスを今後どのように扱っていくべきかの意見交換 (スライスの連携範囲(伝送網/固定回線/Wifi等の連携)、非テレコム系へのプロトコル拡張(RADIUS,外部API)、6Gにもスライスを採用すべきか, 等々)

場所

第3展示場A

日時

Day3 2025年1月24日(金) 13:30~14:15(45分)

発表者

宮﨑 祐哉
Yuya Miyazaki
株式会社NTTドコモ
渡辺 雅人
Masato Watanabe
株式会社NTTドコモ
谷川 尚也
Masaya Tanigawa
株式会社NTTドコモ

公開資料

発表資料

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