TOP   •    開催概要   •    会場案内   •    プログラム   •    ホスト/協賛   •    アンケート   •    スタッフ
 
JANOG








« あけましておめでとうございます。 | メイン | 「経路ハイジャック 〜経路奉行 meets JPIRR〜」では何が話されるか »

■ 私にとってJANOGとは 〜 こんどう ■

■私にとってJANOGとは

皆さんこんにちは、運営委員をやっています近藤です。
一部では、会長とか言われていますが、最近ミーティングスタッフの間では、「怪鳥」と呼ばれているようです。怪しくとも飛べない鳥な私にとっては、なんとも勿体無い呼び名です。(もちろん仲間にポセイドンとかもおりません。)

さて、そんな話をしたいのではなく、どうやら「私にとってのJANOG」ということについてお話するということですので、このJANOGの10年を振り返りながら少し私のJANOGへの想いなどをつれづれなるままに書き綴ってみようとおもいます。

皆さんご存知のようにJANOGが設立されたのは1997年でいまから約10年ほど昔にさかのぼります。当時は、インターネットとかIPネットワークといっても100Mbpsといえば「超」広帯域で、海外への回線も6Mbpsもあれば、値段も帯域も相当「高い」ものでした。そんななか、私は1995年にこの「インターネット」という業界に飛び込んだのですが、正直「ルーティング」とかそんな知識はなく当時の上司(いまでは良き友人)から、BGPやOSPFを叩き込まれました。当時は自力で勉強しようにもBGPを独学で学べるほど素材はそろっておらず当時のNSPIXP(現、Dixie)のメンバーミーティングに出ては学んだものです。

考えれば私にとってコミュニティに参加して色々学ぶということを本当に体験したのはこのときだったとおもいます。そこで多くの友人とも知り合いカラオケボックスに男5人すし詰めで歌も歌わずBGPの話をしたりと、なかなか奇妙で、また楽しい日々でもありました。

そんななか私は、NANOGに参加する機会をもらいました。NANOGには既に日本から前会長の石黒さんや運営委員の前村さんなども参加していて、昼はカンファレンス、夜は同じように米国のこれでもかと出てくる肉をほおばりながらこれまたインターネットことを語り合いました。

このNANOGへの参加は私に大きな衝撃を与えました。一つはそのレベルの高さ、今でこそ日本のインターネットは相当に発展していますが、当時は米国は日本に比べ相当多くのトラフィックを抱え、またネットワーク運用維持に関する研究も進んでいたため、日本では触れられていないような技術や考え方が惜しげもなく発表されていました。そして、オープンネス。誰でも参加し、誰でも発言し、そして、議論する。また、新しい技術をみんなで共有する。

私は、「日本ではありえない光景」と感動を受けたのです。これが日本でJANOGを作りきっかけになったことは言うまでもありません。

しかし、これだけだと聞こえが良すぎますよね。そうなんです。本当は私は、英語が駄目、技術は理解するのに時間がかかる、海外に行くにはなかなか出張が難しいと、いろいろハードルがあったため、これが日本で実現できればそれでよし、とも考えていたんですね。

日本でのJANOG設立ではいろいろ議論がありました。結局は、聞きたい人が質問を投げ、それを議論するのはいいが、何百人がそれを「聞くだけ」になっちゃうので、それを公開で行うのは日本の風土には合わないとか・・・。

それでも、やる価値はあるだろうというのが設立メンバー全員の意見の一致です。当時の議論を思い起こしながら少し当時のJANOGの考えを紐解くと・・・。

 - 聞く人が多くなってもそれはいたしかたなし。
  →聞いてる人が勉強になり、次にそういう人たちが議論に参加
    してくるようになれば大きな価値アリ。

 - だから、一切妥協はしない。
  →ミーティング出席者のレベルに合わせて議論のレベルを下げ
    ることは全体の不利益だからやらない。

 - とにかく、ミーティングのスタッフとして集まったみんなが聞きた
   いとおもうプログラムでミーティングをやる。
  →自分が聞きたいんだから、みんなも聞きたいんだろうと割り切
    るそうやって、興味のあるプログラムを作るんだから絶対に面白い

という感じです。

JANOGに対する想いは人それぞれで、期待することも人それぞれだとおもうのですが、ここら辺の根底にあるマインドは今も生きているとおもいます。

こうおもうと、私にとってのJANOGは、メンバーみんなであたらしい技術を考察し、それをどう旨く使うのか、今おきている問題をどう解決できるのかを、垣根なく議論できる場であるとおもっています。もちろん、オペレーターといわれる方々のほとんどは会社に属していて、その会社の秘密情報という枠のな
かで仕事をするのですから、なんでもかんでも話せばよいというわけではありません。しかし、そういうなかでも、旨く情報を出し、そして旨く情報を得る。そして、問題を解決していくということがとても重要で、JANOGはそういうコミュニティのなかでどう旨く立ち回るかも体験できる数少ない開かれたグルー
プで、そういう自由でありながらコミュニティとしてバランスのとれた活動をする場として今後も多くの新しい人たちと出会っていければとおもいます。

---
kuniaki

日時: 2007年01月04日 12:28|

コメントの受付を停止しております。
質問、疑問に関してはメーリングリストにお願いいたします。