概要
近年、モバイル通信のコアノードにおいて、専用HWを用いず、汎用HWで構築した仮想化基盤上で仮想マシンやコンテナとして動かすことが主流となっている(*1)。加えて、自社内のオンプレミスな IaaS 環境の運用・管理に対して膨大なコストが必要となることから、AWSなどのパブリッククラウドでの5Gコアネットワーク構築が模索されている。他方、総務省が公表している資料(*2)によると最繁時のモバイルトラヒック量は1年で約29%増加しており、2030年度にはトラヒック量が2021年の10倍近くになる可能性がある。そのため、ユーザトラヒックに関しては、現在の従量課金制のパブリッククラウドを用いた場合、クラウドの利用コストが大幅に増加する懸念があり、パブリッククラウドへの移行のハードルとなっている。
そこで、KDDIでは、膨大なユーザトラヒックを処理する5GコアノードであるUPFについて、従量課金制により費用が高くなってしまうユーザプレーン (UPF-UP) と、通信量の少ないコントロールプレーン (UPF-CP) を分離する構成を検討している。その上で、ユーザプレーンをオンプレサーバ上に、コントロールプレーンをパブリッククラウド上に構築し、それぞれのコンテナをパブリッククラウドのマネージドサービスで管理するハイブリッドクラウドでUPFを実装し、検証した。
本発表では、ハイブリッドクラウドを用いて開発したUPFの設計・実装および、その開発を通して学んだハイブリッドクラウドの有用性について共有し、以下のポイントに関して皆様と議論を行う。
*1: https://www.janog.gr.jp/meeting/janog52/5gccl/
*2: https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/field/data/gt010602.pdf
場所
三菱重工業ルーム (会議室 203+204)
日時
Day2 2024年7月4日(木) 13:30~14:15(45分)
発表者
公開資料
ハイブリッドクラウドで5GC UPFを実装してみた(PDF 2.1MB)
Slackチャンネル
#janog54-5gcupf-ハイブリッドクラウドで5gc-upfを実装してみた
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