プログラムインタビュー「IPアドレス管理機構をイチから再考する:ICP-2 RIR認定要件の改定作業で未来を紡ぐ」

JANOGerのみなさんこんにちは!JANOG55 企画編成委員の近藤です。
Day3(2025年1月24日) 11:15~12:15に第3展示場Bで行われるプログラム「IPアドレス管理機構をイチから再考する:ICP-2 RIR認定要件の改定作業で未来を紡ぐ」にご登壇頂く、前村さん、白畑さんにお話しを伺いました。

左上から近藤(企画編成委員)、冨永(プログラム委員)、前村さん
左下から佐藤(プログラム委員)、白畑さん

応募のきっかけを教えてください

前村さん
RIRで何かが起こっていたとしても、日本ではJPNICが皆さんのインターフェースになって、 IP アドレスの管理とかは完結するようにしているので分かりにくいと思います。でも、実際にはいろんなことが世界では起こっていて、それを日本の方々にも分かっていただくっていうのはとても大事だと思うんです。私自身が国際畑を歩いてきており、JANOGとのかかわりも深いため そういったことを伝えていくのが私の責務と言ったら固いですが そういう役目を担っていると思ってます。

白畑さん
もともとインターネットが好きで大学でインターネットの勉強していました。Webウェブホスティング事業者を経て、現在は、シンガポールのIXの会社で働いてます。昔、JPOPMでIPアドレスの移転のプロポーザルの提案をしていたことを思い出し、そういう意味で今回のいろんな出来事と関係があったのかなと思ったことがきっかけです。

RIR(地域インターネットレジストリ)の管理機構について、どのように堅牢性が確保されていますか?

RIRはすべて法人なので、定款を始めとするいろいろ規則で統治機構を構築しています。コミュニティが関わる部分も、ポリシー策定プロセスや行動規範などで守られています。とは言え、想定を超えるケースというのはあり得て、AFRINICのケースはその最たる例ですね。APNICでは、統治機構の強化に乗り出して、一定の対策ができたケースです。各RIRはセキュリティの強化とリスク管理の観点からも、継続的な改善を行っています。今回紹介するICP-2「新RIR設立要件」の改定は、まさにそういう継続的な改善の一環ですが、「RIRとは何なのか」というある種哲学めいた根本的な問いに触れるところがあり、関心を持っていただければと思います。

AFRINICの機能不全は日本でも同様に起こり得るのでしょうか?

AFRINIC(アフリカ地域インターネットレジストリ)では、さまざまな要因が重なった結果、機能不全状態に陥りました。これを受けて、他のRIRでも統治機構の点検や強化に乗り出しているところです。日本では、JPNICがIPアドレスの管理を行っています。自分たちで言うのもなんですが堅い運営をしてきているので、今に至るまで存続の危機はありませんでした。同様の機能不全が起こる可能性は比較的低いと思っていますが、皆さんに更にご関心を持っていただければ、もっと強化していけると思います。

JPNICの活動への参加やサポートにはどのようなメリットがありますか?

JPNICはインターネットの円滑な運営に寄与することを目的として、IPアドレス管理だけでなくさまざまな活動を展開しています。指定事業者としてだけでなく、会員としてこの活動に参加することは、インターネットの発展により直接的に関与するという意味合いを持ちます。これは会員企業の社会的な信頼性を高めることにも寄与すると思います。インターネット運営に関する情報により間近に触れることができますし、業界全体の動向を把握し、新たなビジネスチャンスを見出すきっかけとなることもあります。

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